大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和47年(あ)1843号 決定

主文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人高橋嘉福の負担とする。

理由

被告人荒谷斌幸の弁護人鈴木惣三郎、同山口高明の上告趣意第一点一(所論のうち一審判決判示第三の一の(一)、(三)事実とあるのは、一審判決判示第四の一の(一)、第六の各事実の誤記と認める。)は、判例違反をいうが、所論引用の判例は所論のような判示をしているものではないから、前提を欠き(なお同被告人が用地の被買収者に対し移転に伴う替地を斡旋した行為は、営利の目的で行なったものではなく、かつ、昭和四六年法律第一一〇号による改正前の宅地建物取引業法二三条により、国および地方公共団体には同法の適用が除外されているのであるから、同法一二条一項、二四条二号の各規定に違反しない。)、同第一点二は、判例違反をいうが、判例を具体的に摘示せず、かつ、一、二審の認定に反する事実にもとづいているから、前提を欠き、その余は、事実誤認、量刑不当の主張であって、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

被告人高橋嘉福本人および同被告人の弁護人谷口亮二の各上告趣意は、単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であって、いずれも同法四〇五条の上告理由にあたらない。

また、記録を調べても、同法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって、同法四一四条、三八六条一項三号、被告人高橋嘉福につき同法一八一条一項本文により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 岡原昌男 裁判官 小川信雄 裁判官 大塚喜一郎 裁判官 吉田 豊)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例